2008年作のアメリカ映画「キャデラック・レコード」。
シカゴのブルース・レーベル「チェス・レコード」誕生のヒストリーであり、そこから有名になったブルースマンたちの人間関係が描かれたミュージカル映画です。
そんな映画キャデラック・レコードは、こんな人におすすめします!
- 音楽でアメリカを変えた人たちの生き様を知りたい
- ブルースの歴史、もしくは黒人差別に興味がある
- ビヨンセの一流の歌声を聞きながら、音楽映画を楽しみたい
まさに、音楽好きなら一度は見ておきたい映画ですね!
この記事では簡単なあらすじから3つの見所を紹介しておりますので、映画を見る前にぜひ一読ください!
目次
キャデラック・レコードの映画あらすじ
「黒人差別」が今よりも激しい中、野心をもったレナード・チェスは黒人街でナイトクラブを経営。
その店で出会ったマディ・ウォーターズを気に入りレコードを制作し、レコードは飛ぶように売れていきます。
そして、成功の証としてレナードは彼にキャデラックをプレゼントしたことから物語が始まっていきます。
また、エタ・ジェイムス役はビヨンセが務め、
脚本のあまりの素晴らしさに絶対出演したいと思いました。
私の世代の人たちにこの物語を伝えられることを光栄に思います。
と言った言葉を残していることでも注目を集めました。
主要登場人物紹介
レナード・チェス:エイドリアン・ブロディ
チェス・レコードの創始者。
儲けに貪欲な考えを持ち、肌の色や人種は関係なく仕事のパートナーとして組むことのできる男。
レコードが売れると成功に証にキャデラックを与えた。情が深く信頼がある。
マディ・ウォーターズ:ジェフリー・ライト
類まれな音楽的才能を持ち、レナード・チェスも彼の演奏に一目惚れしてしまう。
レナード・チェスの片腕となりチェス・レコードを支える。「濁った水」という意味。
リトル・ウォルター:コロンバス・ショート
マディ・ウォーターズがシカゴで出会ったブルース・ハーピスト。
作曲のセンスもあるが乱暴者で破滅的な性格。
エタ・ジェームズ:ビヨンセ・ノウルズ
劣等感と負けん気で本性を隠しているが実は繊細な性格。
レナード・チェスから温情を受ける。
キャデラック・レコードの見所
見所1:ラジオと賄賂
レナード・チェスとマディ・ウォーターズでレコードを南部のラジオ局に売り込みをするシーン。
南部はマディの故郷であり、ブルースの発祥に地でもあるため、まずこの地区でブルースは売れると判断しました。
決してシカゴからは売らず、南部から攻めたことが興味深いのです。
そして賄賂。
この当時のメディアはラジオが一番だったので、新しい音楽はラジオから発信されていました。
そのため、レコードを流してもらわなければ聴いてもらえない。
聴いて貰わないと売れないのでなので金を渡すしかなかったのです。
さらに中半、アラン・フリードにチャック・ベリーの「メイベリーン」を掛けてもらうように取引するシーン。
本作には描かれていませんが、DJは大ヒットしそうな曲には作曲者のクレジットに自分の名前を入れさせていました。
ヒットすれば印税が入るからです。
実際「メイベリーン」の作曲者にアラン・フリードの名が記されており、リトル・リチャードもレイ・チャールズも同じような目に合っていたのでした…。
見所2:圧巻!!ビヨンセの歌声


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ビヨンセの出ているシーンは全部お勧めで「ビヨンセはこんなに歌が上手かったのか!」とブルースファンからの感心の声が多々上がりました。
実際、ビヨンセがエタ・ジェームズの歌を歌っているのを観ると、エタ・ジェームズへのリスペクトを感じざるを得ないほど。
エタ・ジェームズの唱法はソウルフルでありシャウト、唸りが特徴です。
もう一方の支流に「ジャニス・ジョプリン」があり、「ジャニス・ジョプリン」がエタの「Tell Mama」をカバーしたのも納得ができます。
ちなみに、ビヨンセとエタ・ジェームズを比べるとビヨンセの方がマイルドでエタの灰汁を取り除いたスッキリとした歌い方であると言えます。
見所3:男気あふれるハウリン・ウルフの人柄
彼は朴訥な反面、誠実で男気のある人物として描かれています。
マディ・ウォーターズがハウリン・ウルフのバンドのギタリストを引き抜いたシーン。
もちろん今ではご法度ですが、当時はまかり通った時代でした。
結果として、2倍のギャラを払うことでギタリストはマディのバンドに入ることになるのですが…。
ハウリン・ウルフは見事に男気を見せて無事ギタリストは戻ることになります。
余談ですが、ハウリン・ウルフのレコードを聴いて育ったイギリスの当時の子供たちは、やがて大人になりミュージシャンになった者もいました。
実際、1970年にロンドンでハウリン・ウルフのレコーディングが行われました。
集まったサイドマンは
- エリック・クラプトン
- ビル・ワイマン
- チャーリー・ワッツ
- リンゴ・スター
と、有名人が勢揃い。
このセッションにシカゴから来た者がいてその名は「ヒューバート・サムリン」。
上記のマディに引き抜きにあったウルフのバンドのギタリストであり、このレコーディングにはエリック・クラプトンの熱望により参加が決まったと言われています。
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まとめ
キャデラック・レコードを見る上で、まず理解しないといけないのが「黒人差別」の問題です。
日本人はなかなか理解しずらいですが、アメリカはこの差別が根深く、皮肉にもこの差別により文化が発展していきました。
その背景もあって、レナード・チェスは黒人差別をしなかったことが成功のカギとなったと言えます。
しかし、映画「キャデラック・レコード」はフィクションで、本来の「チェス・レコード」のヒストリーとは全くかけ離れています。
そもそも「チェス・レコード」はレナードとフィルの兄弟で経営しており、マディ・ウォーターズが所属したレコードレーベルを買収したのがスタートと言われています。
登場人物の出会い方も事実とは違うので、飽くまでもフィクションとしてお楽しみください!
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